君に恋した冬
第16章 衝突
そのあと、バイトが終わって帰りがけに店長に呼び止められ、年末年始のシフトの話などをされて少し遅くなってしまった
急いで待ち合わせ場所の公園に向かうと、恭介はベンチに寒そうに腰掛けていた
『ごめんっ遅くなって』
小走りで駆け寄ると、恭介がこちらに顔を向ける
「別に、そんなに待ってねぇよ」
はぁはぁと肩で息をしながらそっと恭介の座っている隣のベンチに腰掛ける
少し離れた距離が、静かな沈黙を生む
何から…話そうかな…
膝の上でギュッと両手を握る
『あのね、話なんだけど…』
チラッと恭介を盗み見ると、恭介はどこか遠くに目線を向けて黙って由梨の話に耳を傾けていた
今言わないと、もう言えない気がする…!
『やっぱり私、恭介の気持ちには応えられない』
小さな声で、でもハッキリとそう言った
そこからは止まってしまわないように一気に話し出す
『恭介にはすごく感謝しているし、男の人としても本当に魅力的な人だと思う。
でも、それ以上にすごく好きな人がいるの…
何度も何度も考えたの。だけどやっぱり
私にはその人しか考えられなくて…
このまま恭介の優しさに甘えてちゃいけないって思って…
だから、ごめんなさい…』
一気に話したから少し息が切れる
少しの沈黙のあと、恭介がゆっくりと動いた