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「ん？何？」



グッと握った拳に更に力を入れて、意を決してアキラを見る


その拍子に目に溜まった涙がこぼれ落ちてしまった



『やだ…行かないで…』


「おまえ…何泣いてんだよ…」



アキラは少し戸惑った様子で由梨をそっと抱き寄せた


『ふ…う…』


アキラの腕の中で由梨はしくしくと涙を流しながら必死に懇願する


「何があった？」


優しい声音で、あやすように囁くアキラに胸が震える



そして、ずっと言えなかった事をやっと今口にする







『……好き………』





心から、たった二文字に由梨の全部を込めて伝えた


溢れるこの想いを、もう止めることは出来なかった




「……は？」




アキラの戸惑いの声と共に、異様な空気が２人を包む



言っちゃった…どうしよう…



由梨の心臓は、恐らくアキラに聴こえているだろうと思うほどバクバクと鳴っていた




そして、その沈黙を破るように
アキラが一言





「……ごめん」




そう呟いた