君に恋した冬
第16章 衝突
由梨の頭の中は一気にパニックになる
どうして恭介がここに…?
恭介は驚いた顔から一転して、静かな怒りを目にたたえ、アキラを見据えた
「今の話…本当かよ、兄貴」
『あ…にき…?』
まさか…そんな事って…
アキラの弟さんは…恭介だったの…?
「…」
アキラは黙ったままだった
「何とか言えよ!!」
静かな部屋に恭介の怒鳴り声がこだまする
『あ…恭介…待って!』
何だかもう頭の中がはてなでいっぱいだったが、
今にもアキラに襲いかかりそうな恭介を止めに入る
「由梨、こっちに来い」
グッと腕を引き寄せられ、アキラと引き剥がされてしまう
恭介…どうしたの…?
普段名前でなんて、呼ばないくせに…
恭介は由梨の肩を抱きながらアキラに更に言葉を続けた