君に恋した冬
第18章 想いにさよなら
手摺りをギュッと握り締めて、フラつく足を支えようと必死に階段を降りるが
体力が落ちてしまった手に力が入らずに
思わず手摺りを掴み損ねる
『あっ…』
気がついた時には残り8段の所から、一気にズルズルと階段から落ちてしまった
落ちる間、周りの景色はすごくゆっくりに見えた
お尻から落ちて、そのままゴロゴロと転がるように落ち、階段に激しく身体を打ちつけ
地面に落ちきった時にはもう立つ力がなかった
『う…』
落ちた衝撃でさらに目が回る
「大丈夫ですか!?」
近くに通行人が集まってくる
「きゅ、救急車を…!」
そこで由梨の意識は途絶えた
あぁ…私…このまま死ぬのかな…
もう、それでもいい…
意識が途切れる直前に、そんな事を思っていた