君に恋した冬
第18章 想いにさよなら
目が覚めた時には、病院に居た。
見慣れない白い天井にカーテンの仕切り。
あぁ、ここは病院だってすぐにわかった。
階段から落ちたんだっけ…
どこか冷静に、それまでの事を思い出していた。
転がり落ちた拍子に身体を強く打ちつけたらしく
全身が痛かったが、特に肩を強打したみたいで、腕があがらなかった
ピッ ピッ
規則的な機械音が横から聞こえる
身体にはいくつものケーブルが繋がれていた
まだ少し目が回っている様な感覚があった
目覚めても気分はまだ優れなかった
シャッとカーテンの開く音が鳴り、看護婦が顔を出した
「あ、目が覚めましたか?」
『はい…』
「では先生をお呼びしますので少し待っていて下さいね」
ズキズキと痛む身体に
私…死ななかったのね…
それが何故か嬉しくもなくて、悲しくもなくて
なんだかよくわからなかった
「失礼します」
ぼーっとしていると、先生がやって来た。
「白川さん。またお会いしましたね。」
そこには、以前もお世話になった先生が
優しい笑顔を浮かべて立っていた