君に恋した冬
第18章 想いにさよなら
「栄養失調の次は階段から転落ですか?
白川さん。気をつけないと駄目ですよ」
ふふっと笑いながら先生は由梨の目や口の中を看ていた
「落ちた時の事とか、それ以前のことはわかりますか?」
『はい。わかります。』
「そうですか。全身に軽い打撲を負っているので、2~3日安静をとって入院しましょうか?」
入院…学校とバイト、休まないといけない
でも、もう沙也香の話を聞くのは耐えられない…
『じゃあ…そうします。』
由梨の返事に先生はうんうんと優しく頷いた
「では、何かありましたらいつでも声をかけてくださいね」
『はい。ご迷惑おかけします』
ぺこりと頭を下げて、先生は部屋を出ようとして
ふと思い出したように振り返ってこう続けた。
「あ、あと赤ちゃんは無事でしたよ」
…え?
今…何て…?