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君に恋した冬

第18章 想いにさよなら




先生の言葉がイマイチ理解出来なくて
由梨は思わず痛みも忘れて身体をガバッと起こして
少し大きな声で尋ねた


『あの!赤ちゃんって…何ですか!?』


「え?」


先生は驚いた表情で、もう一度こちらへ近付いてくる


「白川さん、ご存知無かったんですか?」

『何をですか…?』


由梨の言葉に、先生はふぅと短く息を吐いてにっこりと笑みを浮かべてこう続けた





「白川さん、妊娠されてますよ」





一瞬時間が止まった様な気がした


トクントクンと胸が高鳴った



私…妊娠しているの…?

確かに最近月のものが無かったけど
まさかそんなはずはないだろうって
意識すらしていなかった…



固まる由梨に先生は更に続ける



「今はちょうど13週ぐらいですね。
妊娠3ヶ月です」



『あか…ちゃん…?』



由梨はそっと自身のお腹に手を当てた



赤ちゃんが…この中にいるの…?



「白川さん、一応しっかりと産婦人科で検査された方が宜しいですよ。うちの病院の産婦人科で検査してみますか?」


由梨は震える声で


『お願い…します』



そう答えた




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