君に恋した冬
第18章 想いにさよなら
あれから先生に色々と教えてもらった
気分が優れなくて戻した事があると話すと
それは悪阻が原因ではないかと言われた
あの日、合コンで戻した時…
あの時既にお腹には小さな命が宿っていた
アキラの…赤ちゃん…
そっとお腹に手をあてて、まだ見た目には全然わからない程に小さな赤ちゃんをこうして感じたかった
由梨は初めて犯された日以来
アキラとしか繋がっていない
3ヶ月ということは、あの日の他の2人ではないということは明らかだった
由梨に迷いは無かった
この子を…産みたい
初めて出来る自分の家族
でも、何より嬉しかったのは
大好きな人の子供が出来たという事
ギュッとシーツを握りしめて、由梨は涙を流した
アキラは…迷惑に思うよね…?
この事をあなたに話してしまったら
おろしてくれって、多分そう言うよね?
でも、ごめんね…
私はこの子を産みたい
あなたと私が、たった一年だけど
一緒に過ごしたという証になる子を…
大好きなあなたの赤ちゃんを…
あなたに迷惑はかけない
私が一人でちゃんと育ててみせる
あなたの分までこの子を愛して愛して愛し抜く
だから…産ませてね、アキラ…
心の中でアキラに話しかけたあと
生きていて良かった…
私も、赤ちゃんも…
良かった…