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君に恋した冬

第18章 想いにさよなら




「「えぇ!?」」


恭介と歩美が2人同時に叫んだ。


「どうして!?」


歩美が思わず由梨の手を取りギュッと握る

その姿に更にまた胸が締め付けられた。


『ごめんね…。最近あんまり体調が優れなくて…
学校とバイトの両立に少し疲れちゃって…』


ごめんなさい…
私の嘘を許して…


「そっかぁ…そうだよね。階段から落ちちゃうくらいフラフラだったんだもんね…」


歩美は力なくうなだれた


ふと恭介に目をやると
何か思い詰めた表情をしていた


『ごめんね…迷惑かけて』


「そんな…!迷惑だなんて思ってないよ!」


歩美は目に涙を浮かべていた。


『やだ…歩美、どうして泣くの』


「うぅー…だってぇ…」


ついにポロポロと涙を流して泣き始めてしまった。


由梨はオロオロと歩美の背中をさすって宥めた。


『ただバイトを辞めるだけなんだから』


笑いながら告げると歩美は


「だって…なんだかもう会えないような気がして…」


その言葉にドキッとする


肌で感じるものがあるのだろうか
歩美は由梨の考えを読み取っているようだった



歩美…ごめんね…


『またいつでも会えるよ』


嘘をつく度に、心がズキズキと音を立てて痛んだ



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