君に恋した冬
第18章 想いにさよなら
そして次の日、由梨は心配になって育児書を読みあさっていた。
前駆陣痛…
出産が近付いてくると、軽い陣痛があるらしく
なかには重い人もいるのだとか。
なんだ…そっか。心配いらないのよね…
ホッと胸を撫で下ろし、喉の渇きを潤そうと思い
重いお腹を支えて立ち上がろうとすると
ズキッと今までで一番の痛みが下腹部辺りに走る
『…っ!!』
思わずソファーに手をついて、お腹を押さえると
下腹部に違和感を感じた
パンッと何かが弾ける様な感覚で、みるみる地面に水が流れ出る
何…この水…もしかして
破水………?
その量は凄まじくて、途端に不安が頭を支配した
せ、先生に電話しないと…!
焦って携帯を取った瞬間、お腹が激しく痛み出す
『…った…』
顔を歪めてその痛みを我慢しながら
なんとか産院に電話をかけた
「はい、○○病院産婦人科『助けて…!赤ちゃん…!!』
受付が言い終わるのを待たないで大きな声で叫んだ