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君に恋した冬

第18章 想いにさよなら




それからは毎日NICUに通った。


由梨の入院している病院は、以前運ばれた時と同じ病院で、同じ建物内に産婦人科もあった。

NICUは小児病棟になるので
由梨の病室から少し離れていた為、帝王切開の傷がズキズキと痛むけれど、気にならなかった。


張ってくる胸に、お母さんになったんだという実感がふつふつと沸いてくるが
母乳を飲むことさえままならない我が子に、胸の張りが切なさを倍増させた。



『出生届…』


「はい。こちらに記入して頂いて…」


看護士から出生届の書き方の説明を受けた。



私とアキラの子供…



名前はもう妊娠した時から決めていた










“未来”




みらい



私の、希望を込めて…



この子の将来を願って…




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