君に恋した冬
第19章 過去
その二日後に、お前の父親の通夜が開かれて
俺は両親に連れられて参列したんだ
その時はまだパニックと罪悪感でいっぱいで
誰にも言えてなかった
母親の隣に座るお前は、泣きわめいている母親とは違って、無表情で前を見据えていた
通夜が終わって、俺ら家族と、お前と母親だけになって
お前の母親は、涙一つ流さないお前を叱りだしたんだ
なんて薄情な子なの
あんなに愛して貰っていたのに
そんな事を言って、お前の頬を叩いたんだ
その時初めてお前は泣いた
たぶん、母親にされた事に対するショックで泣いてた
俺の母親がなんとか宥めてたけど
お前の母親の怒りと悲しみは収まらなくて
葬式の日も同じ様な感じだった
俺は自分のしたことの重さをその時初めて痛感して
親に全部を話したんだ