君に恋した冬
第19章 過去
俺の両親も怒り狂って、俺は立てないくらいボコボコにされたよ…
でも、お前達家族の痛みに比べたら軽すぎた
両親は、謝って済む問題ではないと言って
立てない俺の手を無理やり引いてお前の家に向かった
そしたらパトカーが何台も停まってて
俺の母親が血相変えて走ってお前の家に行こうとしたら
ちょうどお前の母親が、シートにくるまれて担架で運ばれてる最中だった
周りの野次馬達の声がして
首吊り…自殺…
そんな言葉が聞こえてきて
ふと家の玄関に目をやると、お前はまた無表情で呆然と立ってた
たぶん、涙を出せる程の余裕が無かったんだと思う
俺は取り返しのつかない事をしたんだって…
気付いたら走ってた
由梨に…謝って…許してもらえる筈もないけど…
自分の自己満足のせいで
お前の父親と母親を…死に追いやった…