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君に恋した冬

第21章 家族





それからしばらくして、また片付け作業に取りかかった



「…なぁ。これ、どうする?」



不意にアキラから声をかけられ、手にした物に目をやると、何やら手紙らしき物を持っていた



『…何だろう…』



両親の寝室のクローゼットから出てきた一枚の封筒

少し色褪せていて、真っ白だったであろう紙も黄ばんで見える

一度も踏み込んだ事のない空間に、由梨は戸惑いつつも作業をしていた

だからこそ、その手紙を見て良いものか悩んだ



「…見てみれば?」


『でも…いいのかな。勝手に見ても…』


「…まぁ、誰にも咎められる事はないと思う」


『……』


アキラの言葉に促され、カサッとその封を破ると
中には一枚の便箋が入っていた



読むねと目でアキラに合図を送ると
アキラも黙って頷いた



その手紙には

こう記されていた




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