君に恋した冬
第22章 君に恋した冬
白いタキシードに身を包んだアキラは
ヘアスタイルもきっちりとセットされていて
格好良さに更に拍車をかけていた
あ…きら……格好良すぎ…
思わず口をついて出そうになった言葉を
由梨は慌てて飲み込んだ
恭介からアキラにそっと受け渡され
恭介は小さな声で
「兄貴…幸せにしろよ…」
その言葉にアキラはふっと笑って
「ああ」
短く返事をして、そっと由梨をエスコートする
ふと見上げるとアキラとばっちり目が合い
カッと顔が熱くなるのがわかる
『…っ!』
思わずぶんっと音が鳴りそうな程速く、首を捻って目を逸らすと
くっと喉を鳴らして笑うアキラの声が聞こえた
そのまま神父の前で二人で立ち止まり
神父の読み上げる言葉を少し目を伏せて聞き
お互いに“誓います”と答えた
そして指輪交換をして
誓いのキスを交わす時がやってくる
そっとヴェールをめくられて
真剣な表情のアキラとしっかりと見つめ合う
ドキン…ドキン…と
心地よい胸の高鳴りに身を任せて
じっとアキラを見つめた