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君に恋した冬

第3章 さよなら




例え気持ちがなくても

ただの気まぐれでも



確かにあのキスは優しかった

甘い時間がそこには流れていた


優しい目をしていた



由梨は確かにあの時


幸福を感じていた




パリンッと音を立てて

あの湿気混じりのじめじめした
暗い体育館倉庫での甘い情事が
割れて砕け散った


由梨の心と共に




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