さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~
父の死後、ひと月が経過した頃から、沙絢はバイトを始めた。いつまでも貯金を切り崩した生活はできない。真面目な父は趣味らしい趣味もなく地道に働いて、それなりのお金を残してくれてはいる。しかし、それを切り崩しての生活は父にも申し訳ないし、お金は使えば、いずれは底を突く。
十月の半ばからは、花屋とコンビニのバイトを掛け持ちして、そのバイト料だけで何とか生活を維持していた。贅沢をしなければ、それで一人暮らしなら何とかなる。
十月の半ばからは、花屋とコンビニのバイトを掛け持ちして、そのバイト料だけで何とか生活を維持していた。贅沢をしなければ、それで一人暮らしなら何とかなる。