さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~
「当たり前だ。冗談でこんなことを言うか。俺は言っとくが、お前が考えているような軟派男じゃない。すれ違う女どもに皆、声をかけたりはしてないからな」
男が言い終わらない中に、冷たいものが沙絢の頬に触れた。ハッとして空を見上げると、グレーの重たげな雲が幾重にも重なった天(そら)から白い花びらが落ち始めていた。
「あ、雪」
沙絢が歓声を上げて身を捩ったので、男は少し残念そうな顔をしたけれど、すぐに手を放してくれた。
男が言い終わらない中に、冷たいものが沙絢の頬に触れた。ハッとして空を見上げると、グレーの重たげな雲が幾重にも重なった天(そら)から白い花びらが落ち始めていた。
「あ、雪」
沙絢が歓声を上げて身を捩ったので、男は少し残念そうな顔をしたけれど、すぐに手を放してくれた。