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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~

「今年初めての雪だな」
 男もまたつられるように空を振り仰いでいる。最初はひらひらと舞うように降りていた雪は直に本格的な降りになった。
「綺麗ね。まるで天国から降ってくる天使の羽根みたい」
「天使の羽根、か」
 男は真面目な顔で頷いていたが、やがて、その顔にまた笑みが浮かぶ。何度か見せた真夏の太陽を見つめるときのように眼を細めて沙絢を見ている。

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