さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第1章 SideⅠ(光樹(みつき))~あたし、明日、死ぬんだ~
「しっかりやれや」
グループの長ともいえる靖(やすし)が半ば冷やかすような声を投げてくる。そのひと声に煽られたかのように、数人いる他の連中たちがやんややんやと冷やかし声を上げた。
しばらく待っても、電話は繋がらなかった。やっぱり、これは神さまが止めろっていうことなんだな。
―俺は多分、根っからの悪党にはなりきれないんだ。親や教師の望むような良い子にもなれずに、だからといって、仲閒が期待するような悪(ワル)にもなれない。
グループの長ともいえる靖(やすし)が半ば冷やかすような声を投げてくる。そのひと声に煽られたかのように、数人いる他の連中たちがやんややんやと冷やかし声を上げた。
しばらく待っても、電話は繋がらなかった。やっぱり、これは神さまが止めろっていうことなんだな。
―俺は多分、根っからの悪党にはなりきれないんだ。親や教師の望むような良い子にもなれずに、だからといって、仲閒が期待するような悪(ワル)にもなれない。