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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

 やはり、世の男性諸氏は恋人に贈る品で真っ先に思い浮かべるのが花なのだろうか。今日は朝、九時に開店してからというもの、いつもの倍以上のスピードで花が売れている。しかも、買ってゆくのは若い男性が圧倒的に多い。
 花を所狭しと飾れば、後は居場所がないような小さな花屋ではあるが、N駅地下という立地条件の良さのせいか、普段から客入りは悪くはない。それでも、菓子パンとジュースの簡素な昼食を済ませる時間くらいは取れる。

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