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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

 本当は華道の心得のある人を期待していたのだが、なかなか応募者がいない内情もあった。花屋の仕事は始終花に囲まれて綺麗で楽そうに見えるかもしれないが、それは所詮、知らない人の理屈だ。
 まず売り物の花を常に最良の状態に維持できるように気を配らねばならない。花は当然、生きものだから、ちょっとした気温の変化などで萎れたりしてしまう。なかなか気の抜けない仕事だ。

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