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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

「やあ」
 が、沙絢の輝く笑顔も瞬時に曇った。眼前に佇んでいたのは今、いちばん逢いたくて逢いたくない男だ。
 光樹は相変わらず憎らしいほど格好良かった。何と今日はスーツでびしっと決めている。あっさりとした紺色の上下が男性にしてはきめ細かな膚をしている彼によく似合っていた。ネクタイは臙脂色。いつもセーターにジーパンとラフないでたちしか知らないので、フォーマルで盛装した彼が余計に際立って見える。 

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