さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~
まったく、本物のイ・スンギよりもイケメンだ! 沙絢は大失恋したばかりの男にいつしか見惚れていたことに気づき、赤面した。
沙絢の視線に気づいているのかどうか、光樹は屈託ない笑みを浮かべている。四日前に、彼の住まいで他の女と鉢合わせしたことなんて、まるでなかったかのように。
だが、沙絢の方は到底、まだ平静ではられない。いや、一年後でもまだ上辺だけでも平静を保てるかどうか判らない。それほど、あのときはショックだったし、動揺したのだ。
沙絢の視線に気づいているのかどうか、光樹は屈託ない笑みを浮かべている。四日前に、彼の住まいで他の女と鉢合わせしたことなんて、まるでなかったかのように。
だが、沙絢の方は到底、まだ平静ではられない。いや、一年後でもまだ上辺だけでも平静を保てるかどうか判らない。それほど、あのときはショックだったし、動揺したのだ。