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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

 しかし、今は客として来ている彼をぶん殴るわけにはいかない。何より、客のニーズにできるだけ叶うように努めるのが花屋の仕事。
 沙絢は自分に言い聞かせ、ざわめく心を抑えた。ええい、しっかりしろ、私。ここは意地でも狼狽えたり、無様な様は見せられない。女の意地で、この男を唸らせるような素敵な花束を作って見せる。
 沙絢の生来の気性がしっかりと発動された。

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