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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

 光樹の整った面には、あからさまな安堵が滲んでいる。
「私が光樹さんを嫌いになることなんてないわ」
 沙絢は呟いて、光樹をまた抱きしめた。母のように姉のように。  
 しばらく静かな時が流れた。屋上にいる数組の恋人たちも皆、思い思いに記念に残るクリスマスの夜を過ごしているようだ。
 幸いにも雪はそれほどまだ烈しくはなっていない。この分なら、まだしばらくはホワイトクリスマスの美しい夜景が愉しめそうだ。

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