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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

 屋上の何カ所かには照明がついている。ひらひらと舞う雪が風に乗り、その灯りに照らされていた。白い雪片が光に浮かび上がる光景は幻想的でこの世のものとも思われないほど儚げで美しい。
 天から降ってくる雪を眺めているだけで、物語の世界に迷い込んだような不思議な気持ちになる。
 その信じられないような自然の織りなす奇蹟をひとしきり眺め、沙絢は言った。

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