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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第1章 SideⅠ(光樹(みつき))~あたし、明日、死ぬんだ~

 刹那、冷たい風が光樹に向かってまともに吹いてくる。光樹は思わず手のひらをこめかみに当てた。強い風に視界がきかなくなったのだ。ややあって眼を開いた彼の瞳に映じたのは、屋上をぐるりと囲む鉄柵に寄りかかり、上半身を向こうへ乗り出すようにしている若い女だった。

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