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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~

「判った、絶対に約束するから」
 それで男の手は漸く離れてくれた。なのに、自分を守るように力一杯抱きしめてくれた腕の温もりがなくなって淋しいと思うのは、どうしてなんだろう。沙絢には判らない。
「何で死のうなんて考えるんだ?」
 いきなり言われ、沙絢はプイとあらぬ方を向いた。
「知らない。第一、関係ないでしょ、お兄さんには」
「そうなのか?」

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