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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~

 男が右頬を押さえ、小さく呻く。
「痛ぇな。ただでさえ痛めつけられて普通じゃないってのに」
 その言葉に、沙絢は初めて男の端正な面にアザができているのが判った。心なしか右頬も腫れているようだ。
「大丈夫? そんなに力入れて叩いたつもりはなかったけど」
 男は笑いながら首を振った。
「お前のせいじゃないさ。これはちょっと訳ありでね」
「でも、腫れてるし、アザもできてる」

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