貴方の気持ちが、分からない。
第2章 事故。
…目が覚めると、病院で、
隣には、お兄ちゃんがいた。
あ、言ってなかった。
この人、大野智というアーティスト名をもつ、私の兄、萩野智。
私の唯一の肉親的な感じの人です。
「…おきたっ!?」
「あ、来たの。」
「だって、学校から刃物が刺さったって。」
「学校、大げさ。ガラスの破片だし。」
確かに、腕とか包帯で、ぐるくるにされてるけど、
そんなに気にしない。
「痛くない?顔とか。」
壁にあった鏡を見ると、目の下から頬にかけて、4cmくらいの切り傷があった。
「痛くないけど…」
「ショック?」
「少しね。でも、口裂けっぽくなんなくて良かった。」
「傷はすぐ消えるって。」
笑顔で、話すお兄ちゃんを見て、少し安心したが、
松本センセイが心配してないか、気にかかった。