
貴方の気持ちが、分からない。
第2章 事故。
「せんせー、」
「ん?」
「包帯、ほどけちゃいました。」
「こっち、おいで。」
近くの椅子に、私を呼び寄せる。
「一回ほどくよ。」
素になってく自分の手が、外の風にさらされ、少し寒い。
「大丈夫?」
「え?、あ、はい。」
「腕、無理して重いもの持ってない?」
「…大丈夫です。」
腕を見ると、切り傷が目立つ。
…一生こんなだったらどうしよ…。
不安がる私を見て、せんせいは、ニコッと、笑った。
「大丈夫、絶対治るから」
その、一言に私はどんなに救われただろうか。
せんせいは、そんなこと、気付いてないでしょ?
