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Sincerely

第3章 夢見る少女が消えた日。前編

わたし、キス…されてる。

誰かの唇はすぐ離れたけど、今度は何か細い管のような物がわたしの唇に触れた。
ゆっくりと液体が口の中に流れ込んでくる。
スポーツドリンクだった。

飲み物を口にして、初めてわたしは喉が渇いていた事に気づいた。
何度かに分けて誰かはドリンクを飲ませてくれ、容器の中身を飲みほしたところで、もう一度キスをしてきた。
今度のキスは少し深かった。

誰……
ヒロヤ…なの?

朦朧としながら視線を向けようとしたけど、そこでわたしの意識はもう一度途切れた。


―――――
気づいた時にはスマホの時計が夜中過ぎを知らせていた。
音が鳴った事には気づかなかったけど、lineの着信もあった。
…ヒロヤからだった。

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