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Sincerely

第4章 夢見る少女が消えた日。後編

ヒロヤと繋がって数日が過ぎた月末。
退院する事になった。

ヒロヤもわたしの退院日と同じ日に退院する事になったと、
みんなとの雑談の最中に発表した。


……退院して日常に戻ったら、ここであった事は思い出になるだろうか。
唇の感触も。
初めて繋がった痛みも熱も。
多分わたしが忘れる事はないと思うけど―――

だけどきっと。
わたしとヒロヤとの縁も切れないかもしれないけど糸のように細くなってしまうだろう。
わたしは高校生に戻るし、
ヒロヤもヒロヤの居場所に戻るから。

せめてlineだけは残しておこう。
連絡はしないと思うけど。

思い出の証に。

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