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Sincerely

第5章 迷走Mind

おかげというか何というか。
入院で遅れていた勉強も何とか追いつき、通常の授業と並行で受験勉強も進めて行けた。

このまま、勉強や残り長くない学校生活に集中できたら。
ヒロヤに恋した事も忘れられるなら。
こんなに楽な事はないな───


でも、現実は甘くなかった。


入院中に出場競技が決められたため、わたしの出る幕のなかった体育祭の代休日、

ヒロヤからlineが届いた。

『ユミコちゃん、今日は暇?会いたいな』

───悩んだ。
ヒロヤに会ったら、多分なしくずし的にズルズル続いてしまう。
会いに行かない方がイイって分かってる。
でも、ヒロヤに会いたい気持ちは心のどこかに間違いなくあった。


こんなに理性と感情がかけ離れてしまうなんて、

今までなかった───…。

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