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Sincerely

第5章 迷走Mind

車はどんどん進んで、高速道路に入って行った。
───!?
「ヒロヤさん、あのー…どこに、行くんですか?」
「ん?ちょっと遠出だよ。1時間位走るかな。仕事の用事がすんだらデートしよう」

デート…
少し秘密な匂いがする。
ヒロヤが普通に独身ならばそんな感じはしないけど、ヒロヤが妻子持ちだと知ってる今となっては、
秘密の恋とか。
不倫とか。
そういう言葉が頭に浮かんでは廻ったんだ。

「あ、それと」
高速道路を結構なスピードで進みながら、ヒロヤが続けた。
「仕事の用事の間待たせちゃうけど、車で待っててもらってもいい?あと、今日は俺の事さん付けで呼ばないで。呼び捨てでいいよ?」
「分かりました…ヒロヤ……」


心の中では呼び捨てにしてた名前。
でも声にすると、何だか例えようのない違和感を覚えた。
気持ちがどこかにどんどん迷い込んでる───。

わたしは一体どこへ向かってるんだろう………

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