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Sincerely

第7章 8月の長い夜

『課外授業や夏期講習があるから、
 都合いい日に連絡もらえると嬉しいな。
 出来るだけ都合合わせるから』

これまでと同じような、つかず離れずな文面。
わたし達がカレカノの関係になってからも、わたしの書くメールの文面はサバサバしたもののままだったから、
多分きっと気づかれない───よね。

『分かった!
 また改めて連絡する。
 会えるのを楽しみにしてる』

…気づかなかった、みたい。


喜んでいいのか悲しんでいいのか。
でも、直接会ったら───

気づかれるかもしれない……


そんな気持ちを抱えて悶々としていた8月の下旬。
『明日、会えるかな?都合教えて?』

───ついに…来てしまった。

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