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Sincerely

第9章 マリオネットの心

身体からヒロヤの跡が消えるまで、わたしはどちらにも連絡をしなかった。

マサヨシには見せられないから。
ヒロヤはまた上書きしてきそうだから。

そして、わたし自身。
一人で考える時間が欲しかったから。



ようやく身体からヒロヤの跡が消えた時には、
新学期が始まっていた……。


模試の日程とか夕方の課外の予定とか入ってきて、本格的に受験生生活に突入したけど、ちょっと気を抜くとある考えにぶつかって立ち止まってしまう。

わたし。

マサヨシとヒロヤのどちらを好きなんだろう───

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