BL短編
第3章 手に入れたい
その日、僕は図書室で調べ物をしていた。それを終えて帰宅しようと教室を覗いたら、
椅子や机がグチャグチャで、いやそんなことより。
机をいくつも1箇所に並べたその上で、人間が寝ていた。
たしか、花、花なんとか。
僕には必要性が感じられない情報だから覚えていない。
普段なら無視して帰るのだけれど、僕がここに留まる理由は一つ。
彼がベッドに使っている机の中に僕の机があり、その机には持ち帰らねばならない物がある。
それに尽きる。
机はすぐに見つかったが、位置は最悪だった。丁度頭を置いている机が僕のものだ。
「起こしても面倒だし、どうしようかな。」
普段はいい子で通しているけど、僕はそんなに良い子じゃない。
夜遊びもするし、何人か付き合ったこともある。...男だけどね。
男子校からこの高校に来たからか、僕はもう男にしか恋愛感情を持たなくなっていた。
「んん~...」
机の上で花なんとかが寝返りを打つ。
寝心地悪いだろうに。
まとめられた机の塊に近づいて。
机から参考書を抜いた。
ちら、と。
どんな顔をしているのか盗み見ると、花なんとかは、苦悶の表情を浮かべていた。
「机硬いからなあ。」
眉間のシワを伸ばしてやると、表情全体が変わり、すやすやと寝息を立て始める。
「なんだ、いい顔してるじゃん。」
明るい茶髪に染めて、痛みきった髪に、夕日が差し込んでキラキラと反射する。
規則正しい寝息を聞いていたら、無意識のうちに僕は唇を目の前の男の額に当てていた。
椅子や机がグチャグチャで、いやそんなことより。
机をいくつも1箇所に並べたその上で、人間が寝ていた。
たしか、花、花なんとか。
僕には必要性が感じられない情報だから覚えていない。
普段なら無視して帰るのだけれど、僕がここに留まる理由は一つ。
彼がベッドに使っている机の中に僕の机があり、その机には持ち帰らねばならない物がある。
それに尽きる。
机はすぐに見つかったが、位置は最悪だった。丁度頭を置いている机が僕のものだ。
「起こしても面倒だし、どうしようかな。」
普段はいい子で通しているけど、僕はそんなに良い子じゃない。
夜遊びもするし、何人か付き合ったこともある。...男だけどね。
男子校からこの高校に来たからか、僕はもう男にしか恋愛感情を持たなくなっていた。
「んん~...」
机の上で花なんとかが寝返りを打つ。
寝心地悪いだろうに。
まとめられた机の塊に近づいて。
机から参考書を抜いた。
ちら、と。
どんな顔をしているのか盗み見ると、花なんとかは、苦悶の表情を浮かべていた。
「机硬いからなあ。」
眉間のシワを伸ばしてやると、表情全体が変わり、すやすやと寝息を立て始める。
「なんだ、いい顔してるじゃん。」
明るい茶髪に染めて、痛みきった髪に、夕日が差し込んでキラキラと反射する。
規則正しい寝息を聞いていたら、無意識のうちに僕は唇を目の前の男の額に当てていた。