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BL短編

第3章 手に入れたい

「はあっ、は....なんだよ今の!新山あああっ!」
「息するタイミングわからなかったの?まさか。」

肩で息してる花村の口の周りは唾液まみれだ、それはきっと僕もなんだろうと、袖で口を拭った。

「う、うるせえよ!答えろ!」
「キス。くちづけ。接吻。」

「ちげえ!何でキスなんかしたん」
キャンキャン騒ぐ姿が、なんだか小型犬に見えてきて、僕はまた花村の口を塞いだ。

「んうっ!?んー!!!」
今度は早々に口を離す。

「キス下手だよね、花村。」
「う、うるっせえなクソ!どうせ経験ねえよ!」

経験ない...?
いや、そんなこと、あるはずが...と思ったけど、泣きだしそうな顔を真っ赤に染めて、言う台詞を嘘とは思えなくて。

「え、童T」
今度は僕が口を塞がれた、手でだけれど。
「言うなやめろ。」

不良のくせに、なんて思うのはいけないけれど、花村薫という男は、想像以上に純粋だったらしい。

「なにもかも分からないなら、僕が君のスキルアップを手伝ってあげるよ?どう?」

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