テキストサイズ

BL短編

第3章 手に入れたい

頭の上で薫の手首とベッドのパイプを纏めて縛る。
とりあえずはこれで、立ち上がり逃げ出すことはできない。


毎日毎日薫を起こすうち、効果的な起こし方にたどり着いた。
“オレンジジュースを飲んだあとの爽やかな舌でディープキスをする“
凄く役得である。キスもできるし、薫も嫌な顔をしない。

でも今日はそれをする前に、これの電源を入れ、下準備を先にこなす。

ピッと、短い音が鳴ったのを確認してから僕はオレンジジュースを飲み、眠った花村にキスをした。

「ん、んー...オレンジ?」
まだ少し寝ぼけている薫に、もう一度オレンジジュースを口に含み、口移しでオレンジジュースを飲ませる。
少しだけ、軌道を逸れたジュースが薫の頬を伝い、僕はそれを舐めとった。

「おはよう、眠り姫。」
耳元で僕はそう囁く。僕の声は薫になんとか聞き取れればいい。

「はあ!?」
姫なんて言われたのが嫌だったのか、変なものでもみたような顔を僕に向ける。

まあ、いい。
薫の下半身に手を回し、ファスナーを降ろし、ベルトを引き抜いて、ちんこを取り出した。

「あ、は...っ!」
事務的に取り出しただけでも気持ち良さそうな声を出しては、顔を横に振る。

吐息が耳にかかるように、「キモチイイ?」とわざと聞く。

「しら、ねえ...!」
強情な姫だ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ