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BL短編

第4章 レンズの向こう

セックス中の俺達はあんまりキスをしない。

眼鏡を外さないとキスしにくいのが一つ。
どちらかが眼鏡を外さないですると、ガチガチフレームがぶつかる音でムードが台無しになるのが一つ。

キスする以上、どちらかが外さないとなんだが、眼鏡を外すと何も見えなくなる樹は外すのを嫌がる。
結果俺が眼鏡を外すんだが、眼鏡姿の俺が最高にカッコ良く見えるらしい樹は、俺にできるだけ眼鏡をかけたままのセックスを望む。

いつの間にか、最初と事後くらいでしかキスを交わさないのが定番になった。

首筋を強く吸ってキスマークをつけながら、俺は鍛えられた胴体にキスを降らす。

「ん、っは..ぁ...」
少しずつズレる眼鏡を直す樹を見ながら、さっきのオナニーしてた樹の醜態を思い出す。

「なあ、ちょっと試したいことあるんだけど。」
「奏が何か提案するなんて珍しいー!いいよいいよ!なになに?」

問いかけには答えず、樹の眼鏡を奪う。

「えっ、ちょっと!?マジで見えないんだってば!」
眼鏡を取り戻そうとするけど、見当違いなところへ手を伸ばす。

「お前が喜ぶことしてやるんだから素直に感じとけよ。」
レンズを囲むフレームと柄のジョイント部を、樹の乳首にグリグリ押し付けながら、そんなことを言ってみる。


「ほら、大好きな眼鏡で乳首弄られて気分どうよ?」
「うぇ??これ眼鏡なの???」
刺激を与えているのが眼鏡だと伝えた瞬間、樹のちんこの先から先走りが少し表面を伝う。

ほんと、こいつ眼鏡となると分かりやすい。


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