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BL短編

第1章 溢れ出た想い

「悪い、待たせ.....お前何やってんの?」
「っああ!?」
びっくりした、直人がいつの間にか戻ってきてた。
そうじゃない、今は何か、何か言わないと

「あっ、これは、その、えーっと....」
何か言わなきゃと考えるほど、言い訳できるような状況だとは言えなくて。

自分のシャツ握った男がちんこ出してたら...

「俺のシャツ何に使ってんの?」
「俺、その...ごめんなさい。」

直人の声音から、良い状態でないのは目に見えていて、顔を上げられない。近付いてくる直人の足下だけが俺に見える世界。
直人のすねと、足首と、スリッパと。

それが俺の直ぐ側までやってきて。

「ごめんで許されるとでも思ってんの?」
ああ、きっともう明日から俺は無視される、こんな姿見られたら、俺は...。

直人の右足が浮いたのをクラクラした頭でなんとか捉える。

俺、蹴られるのかな、気持ち悪いよな、やっぱ。
でも直人になら蹴られても嬉しいな。


そんなことを考えていた。

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