残業・メモ子
第67章 蛞蝓
な…な――――――…
何を―――――――――…
「…先生と…もっと前に出会っていれば………
先生との間に―――――…
優秀な遺伝子を残せたのに……
あああ…出会いのタイミングを呪いましたよ!!!
先生は…美しい…美しいのに……もう…新たな…遺伝子を作る機能が……ストップしてたなんて――――…
早く…僕たちは出会うべきだったのに!!!」
筧は…母への愛を…狂喜に満ちた感情で…私に熱弁していた…
……母に…自分の子を妊娠させたかったのに……
母は……すでに…生理が止まっていたのだろう……
どんなに美しくても…50を過ぎた……女だ…
愛の結晶を望んでいた…筧は…
指の爪をカリカリかじりながら……
出会いのタイミングを呪っていた……