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俺の幼馴染

第3章 SM掲示板

そういう細かい仕草、小さい頃から変わらないよなあ。

周りの友達は俺を兄貴のように頼ったのに、彼奴だけは俺の頭を撫でて、上から目線で…。

でも、薫が俺の緊張ほぐしてくれるっていうか、大切な役割を果たしてくれていたんだと思う。

だから、精神的に凄く楽だった。

それは今でも変わらない。

ずっとずっと、薫は俺にとって大切な奴だから。

お互い、信頼できる相手と信じて止まないのだ。

「俺は、きっと自惚れてない…よな。」

自意識過剰ではないことを祈りながら、ぼそっと呟いた。

点けているテレビはまたもや考え事のせいでBGMと化す。

勝手にストーリーが進むドラマを見て、現実もこうであればいいのに、なんて少し切なくなる。

好き同士愛し合える生活…それは俺にはまだほど遠いように感じた。

キッチンからは、まだトントンと具材を切る音が聞こえてくる。

「よし…人参おっけー。次は…玉ねぎっと。」

独り言を挟みながらも、真剣にまな板や包丁と向き合う薫の姿を見て、俺はふと笑みを漏らした。

普段見せない可愛さや幼さが滲み出ているようで、胸の奥がとくん、と熱くなった。

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