近くて甘い
第53章 Happy Birthday...
「俺が結婚しているかなんていう事をどうしてお前みたいなガキに──」
「美咲」
「あぁあ!?!?」
「ガキじゃないって言ってるじゃんっ!」
「っ……」
手強い…。
小学3年生から女はこんなにも強か(したたか)なのだろうか…っ。
「してないなら…」
「おっ、おい離せっ」
再び足を強く掴まれて、たじろいでいた光瑠だが、あまりの強い美咲の眼差しに息を飲んだ。
「私が大人になったら結婚しよ?」
「なっ…!?」
「っ…!?」
美咲の台詞に、笑っていた真希も驚いたように目を見開いていた。
「ガキが何を言ってるんだっ!大体お前いくつだ…っ」
「9歳ー!」
「9っ!?!?」
まだ一桁…
それは、もうガキ以外の何者でもない…
あまりの衝撃に光瑠は、頭を抱えたままでいた。