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近くて甘い

第53章 Happy Birthday...

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なんとか美咲の執拗なアプローチから逃げ切った光瑠、ふぅっと息をついて、ソファーに座った。



隼人の誕生日だからと、真希の装飾の手伝いまでして指を切り、苦手な子どもだらけの会にまで参加しているのだ。



まさか自分がこんな目に遭うだなんて、思っても見なかった。



真希と出会ってから、まるでジェットコースターに乗っているかのような毎日だ…



そんなことを思っていると、小学生と楽しそうに戯れる要の姿が目に入って、光瑠は、また呆れたように息を洩らした。



しばらくして、光瑠の視線に気付いた要は、うまく子どもたちから離れると、飲み物を二つ手にして光瑠の座るソファーへと歩みを進めた。




「いや…。見ていると、こちらまで元気になりますね…」



「あぁ!? ふざけたことを言うなっ!騒がしすぎてさっきから頭痛がする…っ」




文句をたらたらをいう光瑠に、要は笑いながらグラスを光瑠に渡す。



それを受け取ると、光瑠は、ふぅっと息をつく要の横顔をジッと見つめた。





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