近くて甘い
第53章 Happy Birthday...
「光瑠〜〜〜ありがとう〜〜!」
「あぁ」
しばらくして、みんなからのたくさんのプレゼントに大はしゃぎしている隼人は、プレゼントを持って寄ってきた美咲ちゃんの姿を見て、心なしか頬を紅くさせた。
かわいい…
これが、隼人の初恋だろうか…。
あんなにお姉ちゃんと結婚するっ!って言ってたけど、こうやって、小さな彼も気付いたらどんどん大きく成長している。
「はい、これ!」
「ありがとうっ…!」
嬉しそうな隼人。
小さな二人の姿に私は胸が温かくなるのを感じた。
ああ…なんて純粋なんだろう…
でも、ちょっとだけ複雑というか何というか…
「お前もこれを機に隼人離れしたらどうだ…」
「っ…な、なんですかそれっ!」
片眉を上げた光瑠さんが、私の顔を覗き込む。
「完全に母親の顔になってるぞ…。
どうせ、複雑だとか、大きくなっただとか考えてるんだろう…」
「っ……」
図星だ…
「それのっ、何がいけないんですかっ!?」
「老け込むぞ…」
「なっ…!失礼じゃないですかっ!」
反論する私のことを見て、光瑠さんは楽しそうに笑っていた。