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近くて甘い

第55章 淡い恋の終わり



──────旦那とはもう冷めきっているの…



─────早く別れて要くんと…





「ふっ…またか…」






不思議とショックでは無かった。



むしろ心の重荷が取れたようなそんな気さえする。




彼女にとって、自分は、きっといつまでも生徒で…


いつまでも遊び相手なのだろう…




そんなことにすら、ちゃんと気付けていなかったなんて…──




仲良さげに旦那とキスを交わした恵美は、家に入っていく旦那に手を振ると、しばらくしてタイミングを見計らって要の車のガラスをコンコンと叩いた。





「ごめんねっ…要くんっ…」




窓ガラスを開ければ、両手を合わせて謝ってくる恵美がいる。




「いえ…別に…」




「そう、じゃあ…」





助手席のドアを開けようとして、ロックされていることに気付いた恵美は、首をひねったあと、要の方を見た。




「要くん…?ドア、ロックされてるみたいなんだけど…」




「ええ…」





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