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少し視線を落とした加奈子の表情を要は覗き込んだ。



そして、自分のベルトにそえている加奈子の手を上から包み込むようにして握った。




「っ……」


「……無理しなくていいから」




真っ赤になった加奈子は、小さく震えたまま、要の言葉通り、ベルトから手を離した。




そして、また身体を倒された加奈子は、ゴクリと、微かに唾を飲んだ。




しかし、それまで余裕そうだった要がハッと表情を変えたのをみて、加奈子は横たえたまま首を傾げて要を見つめた。




「………これじゃあまるで、けしかけられたも同然だ…」



「え…？」



小さな声でごにゃごにゃと要が呟いたのを加奈子は聞き返した。



けしかけられた…って…？




「………でも、こればかりは仕方がない…」



………？




一体何を呟いているんだろう…


不思議に思っていると、また要が精悍な顔になったのをみて、トクンと心臓が跳ねた。


そして、要が、ポケットから何やら銀の包みのような物を取り出して、口に挟むと、そのままその封を切ったのをみて、加奈子は、微かに身を固めた。